戸籍はとても大切な公的な記録ですが、ごくまれに書き写すときのミス(転記ミス)が見つかることがあります。
以前見つけた例では、「澄子(すみこ)さん」という名前が、「登子(とこ)さん」と書き写されていました。
この方は現在もご存命で、間違いが見つかった戸籍は「改製原戸籍(昔の戸籍)」でした。そのため、市役所が職権で「更生(戸籍の内容を訂正すること)」を行うことになりました。
ただし、更生の手続きには約1か月かかるため、新しい戸籍が発行されるまで待たなければならず、家系図作成の予定にも影響が出てしまいます。
そして今日、新たな転記ミスを見つけました。
明治19年式の戸籍には「由王(ゆわ)さん」と書かれていましたが、明治31年式の戸籍では「由己さん」と書き写されていたのです。
なぜこのような間違いが起きたのでしょうか。
昔の戸籍は「くずし字」で書かれていることが多くあります。くずし字に慣れていない人が読むと、見慣れない文字を、自分が知っている別の漢字と勘違いしてしまうことがあります。
その結果、「王」の字が「己」と読み違えられた可能性があります。
今回のケースは、100年以上も前の出来事です。そのため、今から戸籍を更生(訂正)することは難しいかもしれません。
参考までに、「王」という字のくずし字を掲載します。

(『くずし字用例辞典』東京堂出版より引用)
戸籍を調査していると、このような昔の転記ミスに出会うことがあります。
だからこそ、一つひとつの文字を慎重に確認しながら調査を進めることが大切なのです。
ではまた。
