橘紋は、日本に昔からある果物の木である「日本橘(にっぽんたちばな)」をもとにした家紋です。
梅や桜と同じように植物をえがいた家紋の中でも、とても格式が高い家紋として知られています。
1.由来と意味:長生きのしるし
橘は、『古事記』や『日本書紀』に登場します。
田道間守(たじまもり)という人物が、遠い理想の国「常世の国」から持ち帰った
「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」が橘だと伝えられています。
この名前には「いつの時代でも香りが絶えない果実」という意味があり、
そこから長生き・いつまでも変わらない命の象徴として大切にされてきました。
2.五大紋のひとつ
橘紋は、「日本五大紋」と呼ばれる代表的な家紋の一つです。
その上品な形から、平安時代にはすでに貴族の間で好まれて使われていました。
3.使われた主な家柄や人々
橘紋で有名なのは、古代の名門である橘氏です。
その後、武士の時代になってからも多くの家に広まりました。
●井伊直政
徳川家康に仕えた「徳川四天王」の一人です。
井伊家は「彦根橘」という橘紋を使い、赤いよろい姿(赤備え)で有名になりました。
●日蓮宗
宗祖の日蓮聖人が橘氏の子孫だと名乗ったことから、
日蓮宗のお寺や信徒の間でも橘紋が多く使われています。
4.デザインの特徴
橘紋の基本的な形は、真ん中に実があり、左右に葉、下に茎があるデザインです。
形の種類も多く、実が三つある「三つ橘」や、井伊家のように家ごとの工夫が加えられた橘紋もあります。

丸に橘
