五三の桐は、日本の家紋の中でも非常に有名で格式の高い紋章の一つです。

本来の桐紋は、アオギリの葉と花を図案化したもので、三つの花房と、花房の左右に三枚ずつの葉を配した形が基本です。

この紋章が特に権威を持つようになったのは、豊臣秀吉が使用したことに由来します。

秀吉は、皇室から下賜された「五七の桐」(より花房の多い、最高位の桐紋)を使用し、その下位の者には五三の桐を与えたため、全国に広く普及しました。

そのため、桐紋は単なる家紋の枠を超え、時の権力者との結びつきを示す「賜り紋(たまわりもん)」としての性格が強くなりました。

現代における使用 現在でも、日本国政府の紋章(内閣・首相官邸)として公式に使用されており、その権威と象徴性は健在です。

また、一般の家紋としても非常に広く使われており、歴史的背景から武家や大名家の末裔以外にも、多くの家に受け継がれています。

五三の桐は、そのデザインの美しさと、最高権力と深く関わってきた歴史から、今もなお特別な意味を持つ家紋と言えるでしょう。

丸に五三の桐

五七の桐

更新:2025年12月09日