昨日、久しぶりに戸籍で「縁女(えんじょ)」という記載を目にしました。

 

縁女とは、明治時代の法律ができる前にあった古い制度です。
戸主(その家の代表者)が、将来その家の息子や養子と結婚させるために、女の子を家の戸籍に入れることを指します。
男の子の場合は 縁男(えんお) と呼ばれました。

 

今でいう「いいなづけ」に近いもので、将来結婚する予定の家に幼い女の子が入る形です。
ただし、**養女(ようじょ)**とは目的が違うため、当時は区別されていました。

 

この縁女の制度は 明治31年(1898年) に廃止されました。
制度がなくなる時には、もともと縁女として戸籍に入っていた人の扱いが問題になりました。

 

その後の扱いは、次のように分かれました。

(1)家族として親子のような関係があった場合
⇒法律上の「養女」として扱われることになりました。

(2)結婚のためだけに入籍していて、親子としての関係がほとんどなかった場合
⇒別の身分に変えられたり、そのまま家族として記録されたりしました。

そのため、明治時代の古い戸籍を見ると、最初は縁女として記録され、のちに「養女」に書き換えられていることがあります。

昨日の縁女の方は、他の男性と結婚をされました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=ZEM7ogQ_T-c

更新:2025年12月02日