戸籍の特徴についてお話します。
① 公的な記録であること
戸籍は、個人や家族の届け出にもとづいて作られていますが、その届け出の内容は役所が厳重に保管しています。このため、戸籍は公的な記録といえるのです。
役所が保管することで、法律的にも社会的にも信頼性が確保されています。公的な記録である戸籍は、行政手続きや法律的な証明に利用され、個人や家族の重要な情報を管理しています。
② 細かな情報がいっぱいあること
戸籍には、非常に詳細な情報が記載されています
例えば、戸主や両親の氏名、生没年月日とその場所、届出人の情報、養子縁組や相続、婚姻に関する事項、妻や子供の名前や生年月日などです。
これらの情報は、家族の歴史を詳しくたどることができるため、家系図を作成する際にも非常に役立ちます。また、戸籍を通じて父母から祖父母、さらに曽祖父母までの世代をさかのぼることが可能です。
③ 役所によって保存状況が違うこと
戸籍の保存状況は、役所によって異なります。平成22年までは、除籍簿(全員が亡くなって閉鎖された戸籍)の保管期間は80年とされており、80年を経過すると廃棄することが許されていました。
しかし、その後は150年の保管が義務付けられています。早くから電算化を進めている役所では、戸籍をデータとして保存しており、保存状態が良好です。
しかし、電算化が遅れた役所では、80年経過後にきっちりと廃棄している場合があります。
このため、「何世代前まで遡れますか?」と尋ねられても、「実際に調査してみないとわかりません」と答えざるを得ないことがあります。役所の保存状況によって、調査結果が異なる可能性があるためです。