家系図は、できるだけ多くのご先祖様を記載するべきですが、省略された家系図をよく見かけます。特に、複数の家系を1枚の紙にまとめた省略家系図は非常に一般的です。しかし、このような家系図には大きな問題がいくつかあります。
まず、紙の大きさの制約により、調査で判明したご先祖様全員を記載できていない点です。せっかく調査してわかったご先祖様を省略するのは、ご先祖様に対して非常に失礼なことだと思います。ご先祖様は、それぞれが家系の一部として重要な存在であり、彼らの存在を軽視することは避けるべきです。
次に、複数の家系を1枚の紙にまとめることの問題点です。確かに、自分にとっては複数の家系が関係していますが、もともとそれぞれの家系は独立した存在です。これらを1枚の紙にまとめるのは、まるで複数の家を一つのお墓に入れるようなものです。独立した家系には、それぞれの歴史と物語がありますので、一つにまとめることは適切ではありません。
さらに最悪なケースは、複数の家系をまとめて「A家 家系図」と表示し、他の家系を従属させるようなタイトルをつけることです。これは他の家系のご先祖様に対して非常に失礼です。彼らは「子孫の都合で、主従関係をつけられた!」と嘆いていることでしょう。
省略家系図への対処法
省略家系図を避けるためには、判明した家系をすべて記入する努力が必要です。家系図は、それぞれの家系が独立して存在することを尊重し、1枚の紙にまとめるのではなく、個別に作成するべきです。
例えば、2つの家系があるならば2枚、4つの家系があるならば4枚の家系図を作成することが望ましいです。それぞれの家系図には優劣はなく、すべてが独立した存在として扱われるべきです。こうすることで、判明したすべてのご先祖様を家系図に載せることができ、彼らへの敬意を示すことができます。
家系図を作成する際には、手間を惜しまずに調査結果をすべて反映させることが大切です。それぞれのご先祖様をしっかりと記載し、彼らの歴史と存在を後世に伝えることが、私たちの責任であり、使命でもあります。